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要約
- タイにおける「現地化」とは、事業面(ローカル市場開拓)と運営面(組織・人材・業務体制)の両方を変えていくことを意味する。
- 事業面では、日系顧客依存から脱却し、ローカル市場に対応した営業・マーケティング・価格設計が求められる。
- 運営面では、日本人依存を減らし、権限移譲・業務の見える化・人事制度の見直しを通じて、タイ人主体で回る組織づくりが重要となる。
はじめに:単なる合言葉ではない「現地化」
「現地化」と一口に言っても、その中身は一様ではありません。タイに進出する日系企業にとって現地化とは、現地市場への事業展開だけでなく、現地拠点の運営体制まで含めた多面的な取り組みを指します。単なるスローガンではなく、自社にとって何をもって現地化とするのか、まず定義づけることが重要です。
事業面の現地化:日系顧客依存からローカル市場開拓へ
多くのB2B日系企業は、これまでタイ国内では日系企業を主要顧客としてきています。実際、タイには5,000社を超える日系企業が進出しており、日系同士の取引だけでも一定規模のビジネスが成り立つ土壌がありました。また、進出の動機自体が、取引先日系企業の進出であった企業も多いと言われています。しかし昨今、日系顧客だけでは成長が頭打ちとなり、今後の成長のためには、非日系のローカル市場に踏み出さざるを得ないという状況が発生しています。
しかし、いざローカル企業に営業をかけようとしても、準備不足が露呈する場合があります。例えば、タイ系企業とのコネクションが乏しく、市場プレーヤーの把握が不十分、人材面ではタイ語や英語で非日系顧客を開拓できる営業スタッフが社内にいない、といった課題です。マーケティングも日本人向けに偏り、現地語での情報発信やブランド認知が不足しているといったこともあるでしょう。また、商品やサービスについても、価格や内容の見直しが必要になります。タイのローカル企業は往々にして日系向けの価格を「高すぎる」と感じるため、現地水準に沿った価格・機能に調整する必要があります。そもそも、日本人駐在員が主体となるような高コスト体質では収益が出にくい、という問題も生じてきます。
JMS Thailandの支援
こうした事業面の現地化課題に対し、JMS Thailandでは以下のようなサポートを提供しています。
- 市場調査と戦略策定: 現地産業動向や競合を調査し、日系以外の有望市場セグメントを特定。効果的な参入戦略を立案します
- マーケティング支援: タイ語・英語での資料作成やブランディング見直し、デジタル活用など現地顧客に響くマーケティング施策を立案・実行します。
- パートナー探索・営業強化: 信頼できる現地販売代理店や提携先を探索しご紹介します。併せてタイ人営業の採用・育成や、展示会出展などの新規顧客開拓手法も強化します。
オペレーション面の現地化:日本人依存からタイ人主体へ
事業拡大と並行して問われるのが、現地拠点の運営体制そのものの現地化です。従来、タイ拠点では日本人駐在者がその運営の中心となり、タイ人スタッフはその指示に従う、という役割に留まりがちでした。しかし近年、日系企業はグローバルで人手不足に陥っており、また、現地法人運営の効率化を目指し、日本人駐在員の削減が進んでいます。タイにおける日本人へのワークパーミット(就労許可)の発行数も、コロナ禍を経ても減少が続いています。十分な引継ぎや人材育成がないまま日本人が減った結果、結局は残った日本人駐在員の負担が増えてしまっている、タイ人スタッフに権限委譲を急遽進めたが上手くまわっていない、というケースが散見されます。
運営面の現地化を進めるには、日本人依存を減らしタイ人に権限移譲するだけでなく、そのためのルール整備と仕組みづくりが欠かせません。現地スタッフに単に「任せる」だけでは、誤解や軋轢が生じる恐れもありますし、しっかりとチェックを怠らないようにしないと、不正が横行することとなります。日本人とタイ人の仕事観・価値観の違いを踏まえ、役割分担や報告ルールを明文化し、お互いの期待を擦り合わせることが重要です。また、属人的だった業務プロセスを見直し、可視化と標準化を図る必要があります。特に間接部門では、業務の入力〜処理〜アウトプットまでの流れが各人で完結して「見えない」状況がよく置きています。放置すると、いざ担当者が離職した際などにトラブルが起きかねません。業務を見える化し、チェック体制を整えることで初めて日本人が少数となっても円滑に回る組織運営が実現できます。
さらに、人事制度や企業文化の面でも現地化への対応が求められます。タイでは転職市場が活発で、日本本社と同じやり方では人材定着が難しい場合があります。例えば等級制度を日本からそのまま翻訳しても実態に合わず形骸化し、結果として明確なキャリアパスを示せず人材流出を招くケースも散見されます。JMS Thailandでは人事制度改革を含めた組織風土の活性化支援にも取り組んでおり、タイ人マネージャーが能力を発揮し、現地化された現地法人の中で幹部に登用できるような評価・報酬制度の構築も支援しています。
JMS Thailandの支援
こうした運営面の現地化課題に対し、JMS Thailandでは以下のようなサポートを提供しています。
- 決裁権限等の見直し支援: タイ人への決裁権限の移譲など、現地化に向けたサポートをしております。
- 人事制度改訂支援: タイ人が現地法人の経営幹部に登用されるよう、育成・キャリアパス・評価・報酬など多角的な視点で制度の見直しを行います。
- 業務の見える化、業務改革支援: 極力日本人が関与しない、簡素な業務体制の構築に向け、見える化や業務改革の支援をしています。
- ガバナンス体制再構築支援: 現地化を推進するに当たり、リスクの変化に見合ったガバナンス体制を構築する支援をしています。
現地法人の「現地化」にてお困りごとがあれば、是非JMS Thailandまでご相談ください。

